「パントテン酸」はどんな作用効果をもつ?
「パントテン酸」はニキビに対する治療効果の他に様々な効果を持っています。
パントテン酸の詳しい作用効果についてみていきましょう。
〜糖脂・脂質・タンパク質の代謝機能をアップ〜
パントテン酸は、糖質(炭水化物)・脂質・タンパク質の代謝をサポートする作用を持っています。
代謝をサポートすることで糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変換します。
パントテン酸は脂肪酸に結合することでコエンザイムA(CoA)という補酵素を作る構成成分となります。
例えば、アセチルCoAやアシルCoAという補酵素の成分になります。
アセチルCoAは、糖質・脂質・タンパク質からエネルギーを産生する反応に関与しています。
アシルCoAは、脂肪酸の合成と分解の反応に関与しています。
アセチルCoAやアシルCoAの構成成分になることで様々なエネルギー代謝の過程に関与します。
エネルギー代謝の過程に関与している酵素の働きをサポートしています。
その数なんと100種類以上!
中でも糖質・脂質のエネルギー代謝には必要不可欠な成分であり中心的な役割を担っています。
「糖代謝に関与している補酵素と言えばビタミンB1」「脂質代謝に関与している補酵素と言えばビタミンB2」を思い浮かべる方が多いと思います。
パントテン酸もビタミンB1やビタミンB2と一緒に糖代謝や脂質代謝に関与しています。
糖代謝や脂質代謝に加えて、タンパク質を作る働きがあります。
糖質や脂質、タンパク質の代謝をサポートしてエネルギーに変換する作用を持つため、代謝アップに必要不可欠な成分です。
エネルギーの産生に関与しているパントテン酸が不足するとエネルギーに変換されなかった分の脂肪が溜まりやすくなります。
パントテン酸の不足は、肥満のリスクを増加させます。
パントテン酸は「肥満の予防」に効果が期待できます。
〜善玉(HDL)コレステロール産生促進作用〜
パントテン酸は「善玉(HDL)コレステロール」と「悪玉(LDL)コレステロール」とのバランスを整える働きがあります。
そのため、脂質異常症の改善や動脈硬化の予防に繋がると言われています。
パントテン酸は善玉(HDL)コレステロールの合成を促進し血中のHDLを増やす作用があります。
逆に、悪玉(LDL)コレステロールを回収しLDL減らす作用があります。
HDL、LDL両方とも体に必要であり、HDLとLDLのバランスが重要になります。
HDLとLDLのバランスがとれた上で、血中のHDLが増えることで動脈硬化等の疾患の発症防止に繋がります。
〜免疫力をアップ〜
ビタミンB6や葉酸とともにタンパク質を生成する働きを持つパントテン酸。
タンパク質は免疫力を担当している抗体である免疫グロブリンの構成成分となり免疫に深く関与しています。
パントテン酸は細菌や風邪などの感染症から身体を守る抵抗力を高めます。
〜美肌へ導くビタミンCの働きを助ける〜
パントテン酸はコラーゲンの生成に必要不可欠なビタミンCの働きを助ける作用を持ちます。
ビタミンCが作用する効果を以下に示しました。
- 肌のシミ・くすみ予防
- シワやたるみの予防
- 毛穴の黒ずみ改善
- 肌の乾燥ケア
ビタミンCが作用する以上の美肌効果をサポートしてくれるパントテン酸。
お肌を健康な状態で維持してくれます。
〜腸管の調子を整える〜
パントテン酸は腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進する作用を持ちます。
蠕動運動促進作用により便秘を改善する効果が期待できます。
「腸内環境」と「肌」は関係しています。
便秘が続くと血中の毒素が増加し肌荒れやニキビ、吹き出し物といった肌トラブルが起こりやすくなります。
便秘を解消することは美肌になるために効果的です。
〜ニキビ予防効果〜
ニキビの予防に効果が期待できるパントテン酸。
パントテン酸はビタミンB群の一種でありビタミンB5と言われています。
パントテン酸をはじめとしたビタミンB群は肌細胞の生成、つまり肌のターンオーバーを司っています。
セラミドや脂肪酸をといった細胞間脂質を増加させる作用も持ち、肌のバリア機能維持に深く関与しています。
パントテン酸はビタミンB群の中でも特に「ニキビを予防する働き」があります。
「パントテン酸」によってニキビ改善効果が期待できるニキビの種類
パントテン酸はニキビの改善というよりかは、ニキビの予防に効果的な成分です。
パントテン酸を含むビタミンB群は肌のターンオーバーを促進しバリア機能を高めます。
肌のターンオーバー促進は、メラニンの排出を促す作用があります。
また、ニキビが原因の色素沈着を予防する効果が期待できます。
パントテン酸を配合するスキンケア製品を使用することでニキビのできにくい肌へ近づくことができます。