肌の基礎知識

肌の奥(真皮層)まで化粧水が届くは嘘?角質層までしか浸透できない理由を徹底解説!

私たちが普段使っている化粧品アイテムは、肌のどの部分に作用しているのか気になりますよね。

基本的に化粧品などのアイテムは、角質層という肌の最も外側の部分に作用しており、肌の奥の真皮層には作用しないと言われています。

 

今回の記事では、化粧品などが肌のどこに作用しているか解説していきます。

この記事を読めば「化粧品ってどこに作用するの?」「効果はあるの?」といった疑問が解決できるはず。

それでは、早速みていきましょう。

 

【美容常識の疑問】肌の構造から考えてみよう

世の中に溢れている美容に関する情報は、形成外科や美容医療の観点からみると「効果があるとは言えない」といったように感じることがあります。

 

みなさんは「肌を思い浮かべてください」といった質問を受けた時に何をイメージしますか?

多くの方が肌表面をイメージしたのではないでしょうか。

 

実は、私たちの肌は層になっており、肌表面から表皮、真皮、皮下組織の3層構造で成り立っています。

肌の構造や仕組みを理解することで、美容情報の捉え方や見え方が変化するのではないでしょうか。

 

ハリや弾力がある美肌を手に入れるためには美容情報を正しく理解することはもちろん、肌の構造や仕組みを正しく理解することです。

肌の仕組みを知っていれば情報の真偽を見極められ、巷に溢れる誤った情報や宣伝に乗せられることがなくなります。

 

肌の仕組みを理解すると聞いて「難しいのでは?」「複雑に感じる...」など感じた方もいるかと思いますが、難しくないので安心してください。

 

先ほど少し説明しましたが肌は表面から順番に「表皮」「真皮」「角質層」の3層構造で成り立っており、肌表面の表皮も外側から順番に「角質層(角層)」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層で成り立っています。

私たちが触れることができるのは、表皮の最も外側にある「角質層」ということ。

 

巷の化粧品広告やCMで「肌の奥まで浸透するアイテム」と見聞きしたことある方もいると思いますが、ここで言う肌の奥とは「角質層」のことを指します。

「え?どういうこと?」「角質層って肌の最も外側では?」と感じた方も多いのではないでしょうか。

 

実は「角質層まで浸透して肌をふっくりプルプルに」といった宣伝文句は、肌の奥まで浸透して効果が高いように感じますが、最も外側の0.01〜0.03ミリの部分までしか届いていないのです。

 

化粧品は肌表面の死んだ細胞に作用している?

化粧水などの化粧品アイテムを使用しても「表面の死んだ細胞をうるおしているだけ」です。

 

「表面の死んだ細胞?」「どういうこと?」と感じた方もいるかと思いますのでもう一度、肌(皮膚)の構成について見ていきましょう。

私たちの肌は一般的には、最も外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造をしていますが、組織学的に表皮と真皮から成り立っているとも言えます。

 

ここで注目したいのが、肌の表面に部分の表皮。

先ほど少し説明しましたが、表皮は最も外側から順番に「角質層(角層)」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層構造で成り立っており、平均で0.2ミリの厚さしかない非常に薄い膜。

 

私たちが触ることができるのは角質層であり、角質層は基底層で作られた細胞が形を変えて上層へ押し上げられことで作られています。

角質層まできた細胞は寿命を終えた「死んだ細胞(角質細胞)」であり、血液を介して栄養や酸素などが運ばれることがありません。

肌において細胞核があり生きている細胞は、角質層よりも下層の顆粒層、有棘層、基底層の細胞であり、角質層の細胞は細胞核のない死んだ細胞ということ。

 

化粧水などの化粧品アイテムが浸透するのは角質層までであり、角質層よりも下層の細胞分裂して生きている細胞まで届くことはないとされています。

 

角質層は肌の最も外側を覆っており0.01~0.03ミリ(平均0.02ミリ)と非常に薄い膜ですが、見た目の美しさを左右する重要な部分。

化粧品などの薬物を使用して角質層をケアしますが、角質層は死んだ細胞からできているので、いずれは垢となって肌表面からはがれ落ちます。

私たちは、角質層を潤すために化粧水などのアイテムを使用しているということ。

 

化粧品は薬機法(旧・薬事法)で管理されており「化粧品が浸透するのは角質層(角層)まで」といった表現が原則であり「角質層よりも奥まで」「肌の奥まで」といった広告での表現は禁じられています。

効果が高く感じる化粧品でも必ず「角質層まで浸透」「角質層の隅々まで浸透」といったように「角質層」といったワードが明記されているので、ぜひ購入する際は、宣伝広告も確認してみてください。

 

基本的には、角質層よりも奥まで浸透するのは、イオン導入やダーマドロップなどの特殊な医療技術しかありません。

私たちの肌には、バリア機能という細菌などの異物や紫外線などの外部刺激からからだを守る機能が備わっており、体内の細胞や血管、そして神経が直接刺激を受けないように守っています。

 

からだを守るバリア機能を考えた時に、化粧品などの薬物が角質層よりも奥まで浸透するのはあってはならないこと。

化粧品などの薬物が角質層までしか届かないのは、バリア機能を正常に保ち肌トラブルを回避するといった観点では理にかなっています。

 

ここで少し話が変わりますが、肌(皮膚)は体重の約16パーセント占める最大の臓器。

年齢によって異なりますが、一般的に成人では皮膚の体表面積の約15パーセント以上のやけどで入院が必要になり、約30パーセント以上のやけどを負うと致命的と言われています。

 

肌に浸透するってどういうこと?

化粧水などの化粧品アイテムが肌に浸透するとは、美容成分や水分が肌の奥、ここでは角質層まで届くことを指します。

 

ここでいう浸透とは、浸透感と必ずしも一致しません。

浸透感は、美容成分や水分が肌表面の角質層になじんだと感じる感覚のことを言い、浸透とは美容成分や水分が角質層まで届いたことを言います。

 

実際に浸透感があっても、角質層まで美容成分が浸透していない、またはその逆もあります。

肌がベタベタしており一見、美容成分が浸透していないように見えても角質層の隅々まで届いていることや、その逆の肌表面がサラサラしていて美容成分が浸透したように見えても角質層まで届いていないこともあるのです。

 

化粧品が浸透するのは角質層(角層)までと決められている?

先ほど少し説明しましたが、広告明記のルールとして「角質層まで浸透」「角質層を潤す」といった化粧品に含まれる美容成分が浸透するのは角質層までと薬機法という法律で決められています。

薬機法によって広告明記のルールが決められているのは、消費者が誤解しないように、過度な期待を持つことによる健康被害を防止するため。

 

余談にはなりますが、広告に「肌に浸透」と明記した場合、注釈で「角質層まで」と明記する必要があります。

「角質層まで浸透」といった広告明記のルールはありますが、科学的には化粧品に含まれる美容成分が角質層よりも奥に浸透してはいけないといった決まりはありません。

 

レチノールやナイアシンアミドなどの美容成分はシワやシミなどを改善する効果が期待できます。

シミ原因となるメラニンを合成するメラノサイトは角質層よりも奥の基底層にありますし、コラーゲン合成を促進して肌のハリや弾力を維持するメカニズムは真皮層にあります。

シワやシミなどにアプローチする美容成分は、配合濃度が定められていることもありますが、基本的には自由に配合して良いとされています。

 

化粧品を角質層に浸透させるための研究が日々行われている

化粧品に含まれている有効成分を効率よく角質層まで届けるための浸透促進技術は、日々研究され進化しています。

有効成分や濃度はもちろん、成分をカプセル化したり、乳化粒子のサイズを極小サイズにするナノ化することで通りやすくして角質層へ効率よく有効成分を届けます。

 

処方技術も進化しており、肌のバリア機能を一時的に緩めて有効成分の浸透を促進するエタノールや界面活性剤などを配合することで角質層への浸透をサポート。

化粧品の浸透具合は、肌状態、処方技術、環境、使用方法などに加えて、ベース成分の組み合わせによっても変化します。

肌の水分量が保たれ角質層が柔らかかったり、化粧品に配合されている成分のサイズが小さいほど浸透力が高まります。

 

角質層に浸透する成分や水分の量は決まっているの?

肌の角質層(角層)に浸透する量は決まっており、塗れば塗るほど浸透するというわけではありません。

仮に、塗れば塗るほど肌に浸透したとしたら、肌がパンパンになってしまいます。

 

化粧品に含まれる成分は水分だけでなく、保湿や美白などの効果がある美容成分も含まれています。

分子量が小さく肌に浸透しやすいレチノールやビタミンC誘導体などの有効成分を高濃度で塗りすぎると、バリア機能の低下や炎症の原因になることがあります。

 

化粧品は肌に直接塗るものなので安全性が担保されており、作用が比較的緩やかなものが多いですが、塗れば塗るほど効果があるものではありません。

メーカーによって化粧品の効果を最大限に発揮する推奨量や使用方法が決まっていることがあるので、推奨量を超えての使用は控えましょう。

 

肌の持っている役割は全部で6つ

私たちの肌が持っている役割は一般的に以下の6つ。

  1. バリア機能
  2. 感覚機能
  3. 体温調節機能
  4. 分泌及び排泄機能
  5. 経皮吸収機能
  6. 代謝及び呼吸機能

肌は、バリア機能によって微生物や摩擦、乾燥、花粉といった物理的、化学的、生物的な刺激から生体を守り、水分の喪失を防止。

からだを防御する役割のバリア機能は、肌の最も外側にある厚さが平均0.02ミリしかない非常に薄い膜の「角質層」が担っています。

 

健全な方の角質層は、水分を通しにくい性質を持っており、これはプラスチック膜に匹敵。

私たちの肌だけでなく全身は、角質層のバリア機能によって守られています。

実際に乾燥などによってバリア機能が低下するとアレルゲンなどの異物が入り込み食物アレルギーやアトピーなどのアレルギー症例を引き起こすことがあります。

 

肌は、感覚器としての役割があり、外部からの刺激を脳に伝えている他、血管を収縮させたり拡張させたりして体温を調節する役割を持っています。

健康で美しい肌は、汗や皮脂を排泄し、いらなくなったものを排泄する機能や肌に塗布された成分を血液を介して全身に運ぶ経皮吸収機能、代謝及び呼吸機能があることによって保たれています。

 

肌は見た目の美しさを左右するだけでなく、生命維持のために必要不可欠な多くの機能が備わった外界に直接触れる唯一の臓器。

 

ここからは、肌のバリア機能をもう少し詳しく解説した後に、バリア機能と化粧品の関係についてみていきましょう。

天然の保護クリームと言われている皮脂膜がバリア機能の最前線で活躍しており、水分や脂質、天然保湿因子などが外部に逃げないように蓋をしています。

 

化粧品などのアイテムを肌表面に塗っても、バリア機能で守られている限り角質層よりも奥深くに有効成分が浸透することはありません。

摩擦や紫外線でバリア機能が破壊されると脂質や水分などが外部に流出することで慢性的な乾燥や炎症の原因に。

 

化粧品などのアイテムを使う上で重要なのは、バリア機能を正常に保つこと。

頻回に化粧品を使用したり、強い力をかけたりするとバリア機能が破壊し、健康な肌を保つ上で重要な水分や皮脂、天然保湿因子が外部に流出するという悪循環が生まれます。

 

肌の乾燥を防ぐために化粧品を使用しても使い方や頻度を間違えると、かえって肌の乾燥を招き炎症反応の原因となるので使い方には注意が必要。

化粧品を角質層に浸透させることだけでなく、バリア機能を破壊しないよう良質な皮脂膜を形成して維持することを意識しましょう。

 

肌に塗る順番は関係ある?
1番効かせたいもの使ったほうがいい?

塗った順番に角質層に浸透するので、最初にシャバっとした化粧水などで水分を補給した後に美容液などで美容成分をしっかり浸透させ、最後に油分が多い乳液やクリームなどで肌を蓋します。

一般的に言われている化粧水、美容液、乳液、クリームといった順番は理にかなっています。

 

先に油分の多いクリームなどを使用してしまうと、その後に塗るアイテムが角質層に浸透しにくくなるので、1番効かせたいアイテムを先に使用するというよりも順番が重要。

剤型も浸透しやすさに関係があり、分子量が小さく水分量が多い化粧品アイテムがより角質層に浸透しやすいです。

 

現在は化粧品アイテムが豊富で、自分の好きなように組み合わせて使うことができます。

肌の状態を観察し、自分の肌の悩みや肌質に合った化粧品アイテムを使用してケアしてみましょう。

 

油分が多いものを最初に塗ると次に使うアイテムに影響がある?

油分の多いクリームやワセリン(プロペト)などの肌に蓋をするアイテムを最初に使用すると、肌が蓋されてしまい他の成分の浸透が妨げられることがあります。

基本的には、水分量の多い化粧水などや美容液などを最初に使用することがおすすめ。

 

液状のオイルは、硬くなった肌を柔らかくする役割もあるので、最初に使用することでその後に使用する化粧水などの浸透を高める効果があります。

基本的には水分量が多いアイテムを先に、油分が多いアイテムを最後に。

 

化粧水前に使用する先行乳液や植物オイルのブースターなどは、基本的に化粧水や美容液の前に使用します。

肌に蓋をする効果があるスクワランなどの成分を含有した美容オイルは、化粧水や美容液などと重ねて使用することを想定しているので最初に使用したとしても、その後の浸透率は大きく変わらないことがほとんど。

 

化粧品を重ね塗りするときは浸透するまで待ったほうがいい?

化粧品のアイテムを使うときは時間に余裕があれば、各ステップにおいて1〜3分程度は待つ方がいいでしょう。

それぞれの化粧品を角質層に浸透させることは製品の効果を最大限に発揮させる他、他の成分同士が肌表面で混ざり合わないために重要。

 

肌表面において、化粧品アイテムの成分同士が混ざると成分が分離したり、水っぽくなったりと製剤の状態が崩れてしまう可能性があります。

 

特に、肌の表面で薄い膜を形成する日焼け止めや下地、ファンデーションなどを使用する際は注意が必要。

肌表目に膜を形成する日焼け止めや下地などのアイテムは、他のアイテムと混ざることで肌表面に均一できれいな膜が形成されにくくなり、紫外線防除効果やメイク効果が低下します。

 

肌にアイテムをのせる際は完全に乾くまで待つ必要はありませんが、ある程度肌に浸透するまで待ってから次のアイテムを使用しましょう。

化粧品がある程度浸透すると肌表面のベタつきがなくなったり、ひんやりとした感覚になるので目安にしてみてください。

 

シートマスクや導入美容液(ブースター)は肌をゆるめることで成分を浸透させているの?

シートマスクや導入美容液(ブースター)は、角質層を柔らかくして一時的にバリア機能を緩めることで有効成分を角質層に浸透しやすくするといった特徴を持っています。

角質層は角質細胞がレンガのように何層にも積み重なり、その間を細胞間脂質で埋められています。

 

シートマスクを使用すると角質層の角質細胞が水分を吸収し膨らむことで、きれいなレンガ構造がゆらぎ有効成分が角質層の奥まで浸透する仕組みになっています。

導入美容液は、浸透促進剤などによって一時的に角質細胞の間に有効成分が通るための通路を作り、角質層に成分を浸透させます。

 

シートマスクも導入美容液も角質層のバリア機能を一時的にゆるめることで作用します。

基本的にシートマスクや導入美容液使用後、バリア機能は元の状態に戻りますが、メーカー推奨の使用時間を超えての使用であったり、間違った使用方法によってはかえってバリア機能を低下させてしまうので注意が必要。

 

美しい肌の第一歩はバリア機能を壊さないこと

美肌の条件として肌のバリア機能が正常に機能して壊れないことはもちろん、生活習慣を乱さないことや紫外線予防などの要素も重要です。

バリア機能は、肌本来が持っている細菌や紫外線などの外部刺激から体を守る防御機能。

 

私たちの肌はターンオーバーによって絶えず新しい細胞に生まれ変わっています。

ターンオーバーは肌の状態や年齢によってサイクルは異なりますが、基本的に約28〜30日。

 

ターンオーバーによって、肌トラブルが生じたとしても一定期間待つと新しい細胞に生まれ変わります。

美しい肌を手に入れるにはバリア機能を壊さないことはもちろん、生活習慣や食生活を乱さないこと、質の良い睡眠をとること、運動を習慣するなどが必要です。

 

まとめ

今回の記事では、肌表面に塗った化粧品の成分が真皮層まで届くのかについて解説しました。

 

化粧品などのアイテムは、基本的には真皮層まで届くことはありません。

これは、私たちの肌がもつバリア機能が影響しています。

 

化粧品を塗っても角質層までしか届かないですが、効果がないわけではありません。

メーカーが推奨する使用回数や使用頻度を守り、角質層をケアし肌のバリア機能を正常に保つことが美肌への第一歩。

 

この記事が少しでも美肌になるためのお手伝いができていたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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