保湿ケアに効果的な成分

アミノ酸に期待される効果は?注意すべき点、肌の保湿・保護メカニズムとケアの方法とは

まず最初に知っておきたい!肌の保湿のメカニズムについて解説

肌の内部に十分な水分が蓄えられている状態を“潤いのある健康的な肌”といいます。

潤いのある健康な肌を作るのに、肌の一番外側にある角質層がカギとなってきます。

角質層の薄さは、わずか0.01~0.02㎜です。

角質層は、お肌を乾燥や摩擦などの外部刺激から守る役割をもっています。

角質層は、「バリア機能」としての役割を持っており、肌内部の水分が奪われるのを防ぎ、お肌を乾燥から守ってくれます。

外部刺激からお肌を守る働き、バリア機能としての働きには「皮脂膜」や「細胞間脂質」、「天然保湿因子」という物質が大きく関与しています。

皮脂膜は角質層を覆っており、細胞間脂質は角質層内で水分を保持しています。

健康な肌は、「皮脂膜」「細胞間脂質」「天然保湿因子」という物質が肌から分泌されます。

「皮脂膜」「細胞間脂質」「天然保湿因子」が何らかの要因で不足すると、水分を保持する能力が低下し、バリア機能が崩れます。

バリア機能が崩れることによって、お肌の乾燥が進行します。

保湿ケアを行うことで、お肌の水分を補うことができます。

水分をただ補うだけではなく、フタをして、その水分を逃がさないようにすることが重要なカギとなります。

 

アミノ酸の効果とは

お肌の潤いのもとであるアミノ酸。

アミノ酸は私たちのお肌にとって非常に重要な成分です。

アミノ酸は天然保湿因子(NMF)を構成している成分の1つであり、コラーゲンを作る原料でもあります。

また、肌のターンオーバーを促進する作用も持っています。

 

【アミノ酸と天然保湿因子(NMF)の関係】

健康な肌は、角質層に天然保湿因子(NMF)という成分を持っています。

NMFは取り込んだ水分を抱え込み肌の保湿や外部刺激から肌を守る成分。

細胞同士を支えており、シワやたるみを防ぐ役割も持っています。

 

NMFの約半分はアミノ酸から構成されています。

アミノ酸が不足するということはNMFの機能にも影響を及ぼします。

NMFが十分に機能しない肌は、肌荒れなどの肌トラブルや肌の乾燥が起こりやすくなります。

またシワやたるみのできやすい肌になってしまいます。

 

【アミノ酸とコラーゲンの関係】

アミノ酸はコラーゲンを作る原料にもなります。

コラーゲンはお肌にハリ・弾力やツヤを出す重要な成分。

アミノ酸が不足すると作られるコラーゲンが減り、肌はハリ・弾力を失います。

するとシワやたるみができやすい肌になってしまいます。

 

【アミノ酸とターンオーバーの関係】

お肌の外側にある角質層は日々ターンオーバーによって生まれ変わりを繰り返しています。

ターンオーバーにより一定の水分量を保つことができています。

年齢や生活習慣によりターンオーバーのスピードが落ちます。

ターンオーバーの乱れにより肌荒れなどの肌トラブルが起こりやすくなります。

 

一般的にターンオーバーの周期は28日。

年齢によってターンオーバーのスピードは異なり「自分の年齢×1.5」で計算ができると言われています。

30代であれば約40日、40代は約55日、50代は約75日。

 

肌細胞の原料を作るアミノ酸はターンオーバーを活性化し角層の状態を整えます。

それにより古い角質細胞は剥がれ落ちやすくなります。

ターンオーバーの活性化はくすみや肌トラブルの改善に効果的です。

 

また、紫外線により作られたメラニン色素もアミノ酸によりターンオーバーが活性化することで外へ排出されます。

アミノ酸はシミやそばかすにも効果が期待できる成分なのです。

 

アミノ酸の保湿効果

保湿に重要な成分の1つであるアミノ酸。

角層中に存在する天然保湿因子(NMF)の約半分がアミノ酸とアミノ酸から産生される成分(PCA)で構成されています。

(PCA:アミノ酸代謝物の1つであるピロリドンカルボン酸のこと。NMFの約12%を占める重要な成分。)

 

化粧品に配合されているアミノ酸は水溶性成分であり水に溶ける性質を持っています。

なので化粧水とはとても相性の良い成分。

 

アミノ酸の基本的な作用は肌に潤いを与え、肌を保湿します。

保湿成分の水分保持方法は大きく分けて3つあります。

  1. 水分を挟み込む
  2. 水分を抱え込む
  3. 水分を吸着する

アミノ酸の水分保持方法は「水分を吸着」して肌に潤いを与えること。

保湿効果のあるアミノ酸は「肌の乾燥対策」「肌のくすみ対策」「乾燥による小ジワ対策」などに効果が期待できます。

他にも乾燥により起こる毛穴悩みや肌荒れなどにも効果的です。

 

 

実際に化粧品に含有されているアミノ酸にはどういったものがあるのでしょうか。

化粧品に配合される代表的なアミノ酸について簡単に解説していきます。

 

【BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)】

BCAAは「ターンオーバー正常化を助ける作用」と「コラーゲンの合成を助ける作用」を持ちます。

シミ対策としても効果が期待できるアミノ酸。

BCAAとビタミンC誘導体を含有する化粧品を併用することはエイジングケアでもシミ対策に効果的な方法です。

 

【セリン】

天然保湿成分(NMF)を構成しているアミノ酸の1つであるセリン。

セリンはお肌に潤いをもたらす効果があります。

 

【グリシン・プロリン・アラニン】

コラーゲンの生成を助けるアミノ酸でありながらコラーゲンを構成するプロリン。

他にもコラーゲンを構成するアミノ酸にはグリシンやアラニンなどがあります。

コラーゲンは肌にハリや弾力を出すために必要不可欠な成分です。

肌の弾力性を保持するためにはコラーゲンの減少を抑制することが重要になってきます。

コラーゲンを構成するアミノ酸であるグリシン、プロリン、アラニン。

これらを取り込むことは、体内で新しくコラーゲンを合成するために有効な方法です。

 

【アスパラギン】

角質層の細胞分裂を促進する作用をもつアスパラギン。

「ターンオーバーの正常化」や「バリア機能の正常化」をサポートする役割を持っています。

それにより肌荒れの予防に効果が期待できます。

 

【グルタミン酸】

保湿作用と角質の代謝促進作用を併せ持つグルタミン酸。

グルタミン酸はもともと水に溶けにくい性質を持っています。

水に溶けにくいグルタミン酸にナトリウム(Na)を付加することで水に溶けやすい成分に変わります。

その成分が「グルタミン酸Na」。

グルタミン酸Naは水溶性を高めた成分であり保湿効果による乾燥の予防・改善が期待できる成分です。

 

【オルニチン】

コラーゲンの合成を強化する作用があるオルニチン。

オルニチンを使用することはシワ・ハリの改善に効果が期待できます。

 

アミノ酸の使い方について

アミノ酸含有の化粧品は特別な使い方があるわけではありません。

ここではおすすめのスキンケア方法について解説していきます。

 

  • イオン導入や化粧水パックで肌への浸透力アップ

アミノ酸化粧水はイオン導入によりお肌の奥まで浸透することができます。

(イオン導入:電気の流れを使って化粧品に配合された美容成分を肌の奥まで届ける方法)

イオン導入に向いている成分としてアミノ酸の他にビタミンC誘導体、トラネキサム酸、プラセンタなどの成分が挙げられます。

 

化粧水パックもイオン導入ほどではないですが、浸透力がアップする方法の1つです。

「なんかお肌がごわごわするな」「肌のくすみが目立つようになってきたな」とお悩みの方にはぜひ試していただきたい方法です。

 

嬉しい効果の反面、注意点もあります。

お肌の奥まで浸透させるということは刺激が強くなる恐れがあります。

大人ニキビや肌荒れなどでお肌の状態が良くない方、敏感肌の方は控えた方が良いでしょう。

 

  • エイジングケアを行うならコットンより手を使う

お肌の状態を確かめたり、肌への摩擦を少なくする点では手で化粧水をつけることをおすすめします。

コットンで使用する場合が良い時もあります。

エイジングケアを行うという点では手を使い、肌に馴染ませることをおすすめします。

 

  • バシャバシャ使いすぎない

アミノ酸化粧水だけに言えたことではないですが、化粧水を大量に使うことはおすすめしません。

化粧水の使い過ぎは、水の蒸発と一緒にお肌の保湿成分も肌内部から外部へ出してしまうリスクを高めます。

バシャバシャと大量に使用することはお肌にもお財布にも優しくありません。

どんな化粧品でも多く使用すればいいというわけではなく、適量使用することが重要です。

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