保湿ケアに効果的な成分

グリセリンに期待される効果は?注意すべき点、肌の保湿・保護メカニズムとケアの方法とは

まず最初に知っておきたい!肌の保湿のメカニズムについて解説

肌の内部に十分な水分が蓄えられている状態を“潤いのある健康的な肌”といいます。

潤いのある健康な肌を作るのに、肌の一番外側にある角質層がカギとなってきます。

角質層の薄さは、わずか0.01~0.02㎜です。

 

角質層は、お肌を乾燥や摩擦などの外部刺激から守る役割をもっています。

角質層は、「バリア機能」としての役割を持っており、肌内部の水分が奪われるのを防ぎ、お肌を乾燥から守ってくれます。

外部刺激からお肌を守る働き、バリア機能としての働きには「皮脂膜」や「細胞間脂質」、「天然保湿因子」という物質が大きく関与しています。

 

皮脂膜は角質層を覆っており、細胞間脂質は角質層内で水分を保持しています。

健康な肌は、「皮脂膜」「細胞間脂質」「天然保湿因子」という物質が肌から分泌されます。

「皮脂膜」「細胞間脂質」「天然保湿因子」が何らかの要因で不足すると、水分を保持する能力が低下し、バリア機能が崩れます。

 

バリア機能が崩れることによって、お肌の乾燥が進行します。

保湿ケアを行うことで、お肌の水分を補うことができます。

水分をただ補うだけではなく、フタをして、その水分を逃がさないようにすることが重要なカギとなります。

 

グリセリンは、水分を吸収する特徴があります。

「水分をつかむ」ようなイメージです。

実際にグリセリンの作用効果について詳しくみていきましょう〜!

 

グリセリンの効果とは

グリセリンは、様々な効果が認められている成分です。

例えば、利尿作用や便秘改善効果、高い保湿作用などといった効果です。

 

グリセリンは医薬品の分野において調剤としても使用されています。

利尿剤や浣腸剤、頭蓋内浮腫治療剤、眼圧降下剤など広く使用されています。

化粧品としてもグリセリンの持つ様々な作用効果に注目が集まっています。

 

化粧品成分として注目したいのが、グリセリンの持つ保湿効果!

グリセリンの保湿効果は、お肌から水分が蒸発するのを抑制するだけではないです。

他にも外部から水分を引き寄せ保持する効果を持ち、お肌に潤いを与えます。

 

グリセリンの分子量は92.02であり、ひとつひとつの分子が小さいです。

分子量が100より小さいと真皮を通り抜けると言われています。

グリセリンはひとつひとつの分子が小さいため、角層細胞内まで浸透すると言われています。

 

グリセリンはお肌の角層まで浸透することができます。

内側からしっかり保湿することができ、乾燥からお肌を守ります。

また、お肌のバリア機能を強化する役割を持っています。

 

ここで注目したいのが「長時間持続する保湿効果」です。

グリセリンのもつ保湿効果は塗布直後だけでなく長時間持続するため、お肌の潤いを長く感じることができます。

 

ヒアルロン酸のように分子量が大きい分子は、お肌に全く浸透しないのでお肌の上に乗って働きます。

ヒアルロン酸は、持続性というよりは即効性のある保湿成分です。

グリセリンは角質層の奥深くまで浸透するため、保湿効果が持続します。

 

グリセリンは保湿効果の他にも、お肌を柔らかくする効果や温感作用による効果が期待できます。

温感作用とは水分と混ざることで熱が発生する作用です。

 

グリセリンは、ほとんど水分を含んでいない成分です。

お肌に塗って馴染ませることで、グリセリンと皮膚の水分が反応して熱が生じることで温かく感じます。

じんわり温かくなる特徴を活かしてマッサージ用のクリームなどにも使用されています。

 

お肌が乾燥している場合は、水分と反応しないので温感作用が得られにくいです。

温感作用を感じたい場合はヒアルロン酸やコラーゲンなどの保湿成分と一緒に使用することをおすすめします。

温感作用を感じる化粧品には、あらかじめヒアルロン酸やコラーゲンなどが一緒に配合されている場合もあります。

 

グリセリンは高濃度になるほど水分保持能力や吸湿性、皮膚浸透力が高まります。

肌荒れや乾燥などでお肌がダメージを受けていても、高い保湿効果が期待できます。

お肌に必要な水分を補給することで、うるおい満ちる肌へ導いてくれます。

 

グリセリンの保湿効果

グリセリンは保湿効果を持つ成分の中でも女王様的な存在。

日本国内で販売されている化粧水のおよそ9割に配合されています。

グリセリンは非常に高い吸湿性と安全性を持ちます。

 

皮膚に塗布するとしっとりとした感触を得られますが、保湿感は弱いので保湿されているという実感は感じにくいです。

グリセリンの保湿性は肌に浸透し角層でケラチンと水分子の仲介役をすることで発揮されます。

安価であり高い安全性・保湿効果を持っており多くの化粧品に配合されている成分です。

 

グリセリンの保水効果

グリセリンは「高い吸湿性」「高い保水性」を持ちます。

乳化系などの安定性を保つ目的で配合されている場合があります。

これはグリセリンが高い吸湿性・保水性を持ち製品自体の水分を保留するからです。

「水をつかむ」イメージをしてもらうとわかりやすいかと思います。

 

グリセリンは水分保持する保水効果を持ちます。

お肌に必要な水分を保持することで潤い満ちる肌へ導いてくれます。

 

グリセリンの温感効果

グリセリンは水と反応すると発熱するという「温感効果」を持っています。

グリセリンの温感効果を利用したアイテムが「温感クレンジング」。

「温感クレンジング」自体はほとんど水分を含んでいません。

手に出した時に肌の水分や空気中の水分とグリセリンが反応して発熱し程よく温かくなります。

程よい温かさが血行促進やリラックス効果に繋がります。

 

グリセリンの使い方について

化粧品から食品、医薬品と多岐に渡り使用されているグリセリン。

実際にどういう用途でグリセリンが使用されているか見ていきましょう。

 

【化粧品としての使用】

グリセリンは高い保湿効果を持ち乾燥からお肌を守ります。

効果的な組み合わせについて2つ紹介します。

  • 「グリセリン」と「ヒアルロン酸類」

多機能の作用を持つグリセリンとヒアルロン酸類を併用することで高い保湿効果が期待できます。

幅広いつけ心地になるためスキンケアをいつも以上に楽しむことができます。

 

  • 「グリセリン」と「マカダミア種子油」

高い保湿効果を狙うならこの組み合わせがおすすめ。

水性成分であるグリセリンとマカダミア種子油などの油性保湿剤を併用することで高い保湿効果が狙えます。

 

【医薬品としての利用】

  • 下剤、浣腸剤

グリセリンは便秘を改善する下剤、浣腸剤として使用されています。

直腸内の水分を奪い腸壁を刺激することで腸の運動を活発にして便秘を改善します。

 

  • 保湿剤

グリセリンは高い保湿効果を持ち乾燥からお肌を守ります。

乾燥を防ぐ目的の軟膏などに用いられ保湿効果が期待されます。

-保湿ケアに効果的な成分