美白ケアに効果的な成分

皮膚専門家が教える|ハイドロキノンの正しい使い方とは?美白剤・成分の効果と安全性も解説

Contents

ハイドロキノンの美白効果
どんな「シミ」に有効か?

ハイドロキノンは高い美白効果を持っています。

その一方で、誤った方法で使用することで副作用のリスクが高くなります。

安全にハイドロキノンの高い美白効果を得るために注意すべきことについて解説していきます。

 

ハイドロキノンとは?

ハイドロキノンは、シミを漂白するような美白作用を持つ成分です。

シミの予防だけにととまらず、すでにできてしまったシミを減少させる効果が期待できます。

ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニンを作らせなくする漂白剤としての作用があります。

 

ハイドロキノンは「メラニン色素の合成に関わる酵素(チロシナーゼ)」の活性を抑制する作用を持っています。

チロシナーゼの活性が抑制されることで、メラニン色素の産生が抑制されます。

メラニン色素を作る細胞であるメラノサイト(=色素細胞=メラニン細胞)に対して細胞毒性があります。

 

細胞毒性とは、細胞に対して死、機能障害など有害な影響を及ぼす性質のことを言います。

ハイドロキノンはメラニン色素を合成する酵素(チロシナーゼ)の活性を抑制するため、今あるシミを薄くします。

 

また、メラノサイト(=色素細胞=メラニン細胞)の働きを抑制しメラニン色素の産生を抑制するのでシミの予防に効果的です。

ハイドロキノンは他にも様々な美白効果をもたらします。

炎症後色素沈着、肝斑、日光性黒子、雀卵斑(そばかす)などに適応されます。

炎症後色素沈着には、ニキビ跡、やけどの痕、湿疹の痕などがあります。

 

米国(アメリカ)などでは日本で認可される前から美白成分としてハイドロキノンが使用されています。

ハイドロキノンの美白成分として使用は、20年以上にわたる歴史があります。

日本においてハイドロキノンが“化粧品成分”として認可されたのは2002年です。

 

ハイドロキノンは、自然界にも存在している成分です。

例えば、イチゴ類やコーヒー、紅茶、麦芽、細菌類などにもハイドロキノンが含まれています。

ハイドロキノンの美白効果の発見は、1940年頃に遡ります。

 

1940年になめし皮工場で集団発生した“白斑(はくはん)”の原因がハイドロキノンであったことより発見されたと言われています。

“白斑(はくはん)”とは、簡単に言うと“皮膚が白くなってしまうこと”です。

 

また、写真の現像に携わっていた人の肌が白くなったことで、ハイドロキノンの美白効果が発見されたとも言われています。

ハイドロキノンは、還元作用を持つため写真の現像にも使われています。

ハイドロキノンは熱や光に弱く安定性が低いため、日本では医療機関や薬局で調剤したものが用いられていました。

 

現在ではクリニックなどの医療機関だけではなく、インターネットやドラックストアなど店頭で誰でも手に入るようになりました。

ハイドロキノンは市販の美白化粧水などのスキンケア用品にも配合されている場合があります。

ハイドロキノンは、配合されている濃度によって得られる効果に違いが出てきます。

 

ハイドロキノンの作用や効果を正しく理解しておくことで、効果を安全に得ることができます。

少しでも、この記事を読んでくださった方の治療選択のご参考になれば幸いです。

 

ハイドロキノンはどんなシミに効くのか

ハイドロキノンは強い漂白作用を持ち、お肌の漂白剤とも言われています。

ハイドロキノンの美白効果はアルブチンやコウジ酸の約100倍と言われています。

 

すでにあるシミを薄くする働きに加えてシミを予防する働きを持っています。

ハイドロキノンが効果を発揮するのは、“皮膚の浅いところ(表皮)のシミ”です。

“皮膚の深い部分(真皮)のシミ”や“表皮と真皮間のシミ”の治療は、塗り薬ではなくレーザー治療となります。

 

ハイドロキノンが一定の効果を発揮する“シミ”について説明していきます。

ハイドロキノンが効果を発揮するのは、あくまでも皮膚の浅い表皮のシミです。

 

“シミ”といっても大きく分けて6種類あります。

ここで言うシミは、老人性色素斑、肝斑(かんぱん)、炎症後色素沈着です。

患者さんの言う「シミをとりたい」には、医学的には様々な種類の「シミ」が含まれています。

 

最も多いのは、別名日光黒子と言われている老人性色素斑です。

老人性色素斑は、“加齢によるシミ”とも言われており、30代以降の方に多く現れます。

老人性色素斑の主な原因は“紫外線”と言われています。

紫外線がよく当たる手の甲や顔、首などに出現します。

シミの特徴としては、境界が比較的明瞭で平らな茶褐色のシミです。

 

肝斑は、30〜40代の女性でよくみられるシミです。

顔の左右対照に出現する淡い褐色のシミです。

肝斑の主な原因は“女性ホルモンの乱れ”などと言われていますが、確かな原因は分かっていません。

 

炎症後色素沈着は慢性的な湿疹や火傷、虫刺され、かぶれ、切り傷などの跡がシミとなってお肌に残った状態を言います。

ニキビの跡の色素沈着も炎症後色素沈着にあたります。

ハイドロキノンは、老人性色素斑、肝斑(かんぱん)、炎症後色素沈着には一定の効果を示します。

 

ハイドロキノン単独でも効果は期待できますが「トレチノイン」と併用することでより高い効果を得ることができます。

トレチノインは、表皮の基底層にあるメラニン色素を外側に排出させる作用を持っています。

トレチノインは強力なメラニン排出作用を持つと言われています。

 

メラニン排出作用が強力であることから、使用するにあたって注意もあります。

トレチノインを使用した部分の皮が剥けたり、赤みがでたり、かぶれることがあります。

皮むけ、赤みなどの反応はトレチノインを使用した部分から起こります。

適度な範囲の使用であれば心配ありませんが、顔全体にトレチノインを使用するのはオススメできません。

 

顔全体に“淡いシミ”ができている方は、顔全体には使用せずにシミ部分のみに使用ください。

顔全体にシミができている場合は、ハイドロキノンのみを使用することをオススメします。

ただ、ハイドロキノンのみの使用は、トレチノイン併用時と比較すると若干効果は劣ります。

 

非常に強い作用を持つため、トレチノインを安全に使用するためには医師の指導のもとにお使いください。

シミによって濃さは濃かったり薄かったり、色においても青色や茶色、黒色、灰色などと様々です。

メラニンの量とメラニンが存在する場所によってシミの見え方が異なると言われています。

 

トレチノインとハイドロキノンの効果が期待できるシミの大まかな特徴は“平坦な茶色いシミ”です。

ただし、見た目だけでは判断できない場合もあるので注意が必要です。

ハイドロキノンとトレチノインを併用することで高い漂白効果が得られますが、シミを消せる万能薬ではありません。

ハイドロキノンの使用により漂白効果が得られるのは“表皮シミ”です。

 

ここで、「皮膚の構造」について見ていきましょう。

ハイドロキノンなどの塗り薬を使うことが効果的なシミについて理解が深まるはずです。

皮膚は表面から「表皮、真皮、皮下組織(脂肪層)」という3層から構成されています。

 

表皮は皮膚の最も表面の層であり、私たちが触れられる部分です。

表皮はさらに4つの層に分けられており、表面から「角質層(角層)、顆粒層、有棘層、基底層」です。

“シミ”の原因となるメラニンは、表皮、真皮、皮下組織どこにおいても存在することが可能です。

 

ハイドロキノンとトレチノインを併用することは、皮膚の浅い部分に存在する“表皮のシミ”に対して漂白効果が期待できます。

ハイドロキノンは多くの人が“シミ”を漂白するために使用している成分です。

 

ハイドロキノンはどんな成分?

ハイドロキノンは天然にも存在している成分です。

イチゴ類やコーヒー、紅茶、麦芽、細菌類などにもハイドロキノンが含まれています。

 

ハイドロキノンは、もともとは写真の現像液に使用される薬品の1つでした。

ハイドロキノンの美白効果(漂白効果)が注目されるようになったきっかけは写真の現像作業を行っていた人の肌が白くなったことからです。

そこから、ハイドロキノンの美白効果が注目され研究されるようになりました。

 

ハイドロキノンは高い美白効果を持っており、肌を白くする作用が強いです。

アメリカでは化粧品に配合できるハイドロキノンの濃度は2%までという法規制が存在しています。

濃度4%以上のハイドロキノンを使用する際は、医師による処方が必要となります。

 

日本では医師が自ら調合したハイドロキノンクリームなどを使用しシミ治療をしてきた歴史があります。

日本においては2001年の薬事法の規制緩和までは化粧品へのハイドロキノンの配合は禁止されていました。

薬機法緩和までは、ハイドロキノンの使用は医師の管理下のみで許可されていました。

2001年の薬事法の規制緩和により、ハイドロキノンの化粧品への配合が許可されました。

 

化粧品への配合が許可されたことにより、医師の指導なしでもハイドロキノンが使用できるようになりました。

濃度を調整した一般化粧品としてドラックストアなどで販売されています。

日本では化粧品に配合できるハイドロキノンの濃度についての規制はまだ存在していないです。

 

ハイドロキノンが高濃度に配合された化粧品も日本においては購入可能です。

市販で販売されているハイドロキノン商品の一般的な濃度は1~5%と言われています。

お肌の弱い方や初めてハイドロキノン商品を使用される方は2%前後の濃度が安全です。

 

ハイドロキノンは濃度が高くなるにつれて効果も高くなります。

しかし、ハイドロキノンは強い美白作用をもっているため濃度が高くなるとその分、お肌にかかる負担が大きくなります。

 

ハイドロキノンはメラノサイトに対する細胞毒性やかぶれなどの副作用をもつ一面があります。

誤った使用方法で使うと皮膚に悪い影響を及ぼすので注意が必要です。

 

ハイドロキノンの持つ「強い美白作用」と「働き」について

ハイドロキノンは、強力な美白効果を発揮します。

美白効果のアプローチ方法は、「メラニンの生成を抑制する」「生成されたメラニンを薄くする」の2つです。

 

メラニンの生成を抑制する

紫外線が当たると肌表皮の基底層のメラノサイトでは、黒褐色のメラニンが生成されます。

メラニン生成に関与しているのが“チロシナーゼ”という酵素です。

アミノ酸の1つであるチロシンが“チロシナーゼ”という酵素の作用により、やがて黒褐色の「メラニン」に変化します。

 

ハイドロキノンは“チロシナーゼ”という酵素の働きを抑制し、メラニンの生成を抑制する作用を持っています。

チロシナーゼは、メラニン色素の生成に関与している酵素です。

メラニンは“シミ”の原因になります。

 

ハイドロキノンは、チロシナーゼの働きを抑制することで美白効果を発揮します。

ハイドロキノンはシミの予防に加えて、すでにできてしまったシミを減少させる効果が期待できます。

 

生成されたメラニンを薄くする

メラニンはメラノサイトの中で、アミノ酸の1つである“チロシン”から生成されます。

チロシンからメラニンに変化する反応に関与しているのが、酸化酵素である“チロシナーゼ”という酵素です。

チロシンは酸化酵素である“チロシナーゼ”の作用により、いくつかの反応や変化を経て「メラニン」へと変化していきます。

 

メラニン生成には酸化反応が関与してます。

酸化反応とは酸素を受け取る、あるいは水素を取り除くことで物質が変化する反応のことです。

反対に、還元反応とは酸素を取り除く、水素を受け取ることで物質が変化する反応ことです。

 

ハイドロキノンは“強い還元作用”を持っています。

酸化反応により生成された「メラニン」をハイドロキノンが強く還元することで、シミを薄くする効果が期待できます。

ハイドロキノンが持っている強い還元作用により、メラニンを無色の状態に戻すことができます。

シミを完全に消すことは難しいですが、肌にできてしまったシミを薄くする効果は期待できます。

 

どんなシミに効果があるの?

ハイドロキノンは、皮膚の浅い部分にある表皮のシミに対して効果が期待できます。

ハイドロキノンが効果を発揮するシミは一体どんなタイプのシミなのでしょうか。

以下にハイドロキノンの使用が効果的なシミについて示しました。

  • 老人性色素斑
  • 肝斑
  • 炎症後色素沈着

 

逆にハイドロキノンの効果が認められにくいシミについても以下に示しました。

  • 雀卵斑(そばかす)
  • 扁平母斑
  • 脂漏性角化症

 

皮膚の深い部分にある真皮のシミ、表皮と真皮の間のシミに対してはハイドロキノンの効果が認められにくいです。

扁平母斑のように生まれつき存在しているシミに対してハイドロキノン単体での効果はないです。

扁平母斑とは一般的に茶あざと呼ばれており、多くの場合は生まれつき存在しています。

 

そばかすにおいても、遺伝的な要因が大きく関係していると言われており、ハイドロキノンの効果は認められにくいです。

ハイドロキノン単体での効果が認められない場合は、他の方法との併用が有効だとされています。

他の方法といってもどんな方法が有効なのでしょうか。

 

有効だとされている治療方法について以下に示しました。

扁平母斑の治療でしたら、レーザーが第一選択となります。

そばかすの治療についても、レーザーが第一選択になります。

しかし、全ての方にレーザーが有効とは限らないので、悩んでいる方は早めに専門医に相談してみてください。

 

ハイドロキノンの使用により効果が認められるシミもありますが、効果が認められないシミもあります。

ハイドロキノンの使用が有効なシミかどうか悩んでいる方は、一度専門医に相談することをオススメします。

 

ハイドロキノンの使用が効果的なシミの種類

ハイドロキノンは強力な美白効果(漂白効果)を持つ成分です。

ハイドロキノンはメラニン色素の生成を阻害することで“シミ”に対して効果を発揮します。

皮膚表面の表皮において、メラニンが増加してできるシミに対して効果的と言われています。

 

ハイドロキノンは“シミの改善”に加えて“シミの予防”に対しても効果を発揮します。

“シミ”と言ってもいくつもの種類が存在します。

 

具体的に、どんな種類のシミに対してハイドロキノンは効果を発揮するのでしょうか。

ハイドロキノンが効果を発揮するシミについて見ていきましょう。

 

老人性色素斑(日光性色素斑)

ハイドロキノンは老人性色素斑に対して改善効果が期待できます。

老人性色素斑(日光性色素斑)は、紫外線が原因で発症するシミの代表格です。

シミの中で、最も多いタイプのシミです。

 

年齢を重ねるにつれてシミが濃くなる傾向にあるので「老人性色素斑」という名前が付けられたとも言われています。

20代から発症することもあり、60歳以上の方の多くにみられるシミです。

基本的には、30代以降にみられることの多いシミと言われています。

 

紫外線によく当たる顔や手の甲などにできる薄茶色から茶色のシミです。

形は不定形ですが境界がはっきりしているのが特徴です。

 

シミ大きさとしては、数mmから数cmまで様々です。

大きさが5cmくらいにまで及ぶこともあります。

単発だけできることもありますが、一般的には複数のシミが発生します。

 

肝斑

ハイドキノンは肝斑の治療に効果が期待できます。

肝斑は、女性ホルモンの乱れが原因で発症するシミです。

妊娠中やピルの使用、更年期などで女性ホルモンのバランスが崩れることで発症しやすくなります。

 

主に頬骨やあごなどにできる境界があまりはっきりしない薄茶色の色素斑です。

左右対称性にできるのが特徴です。

 

ストレスによるホルモンバランスの崩れにより濃くなることがあります。

紫外線によるダメージが積み重なることにより、肝斑が現れやすくなったり悪化することがあるので注意が必要です。

 

炎症後色素沈着

ハイドロキノンは炎症後色素沈着に対して改善効果が期待できます。

炎症後色素沈着は外傷ややけど、虫刺されなどの炎症が起きた後にできやすいシミのような色素沈着のことです。

強い炎症が起きた部分と同じ部分に色素沈着が生じます。

 

炎症後色素沈着は茶褐色や灰褐色、紫褐色にみえるシミです。

ニキビ悪化後に残ったニキビ跡の色素沈着も、炎症後色素沈着に含まれます。

 

シミだと思い込んでいたものがシミではなく、良性腫瘍の一種である“老人性イボ”であったり、あざの一種ということがあります。

老人性イボは、医学的には脂漏性角化症や老人性疣贅(ゆうぜい)と呼ばれています。

 

老人性イボやあざの一種の場合は、ハイドロキノンでの治療より凍結療法(液体窒素)やレーザーでの治療が適しています。

遺伝的要因の大きい“そばかす”も、ハイドロキノンの効果は認められにくいです。

 

ハイドロキノンの「正しい使い方」と「注意すべき副作用」

ハイドロキノンはドラッグストアなどで簡単に手に入るようになりました。

現在は簡単に手に入るようになったハイドロキノンですが、かつては医師の処方が必要な成分でした。

それだけ強い美白作用を持っているということです。

 

強い美白効果を持つので正しい使い方をすれば高い効果が得られます。

反対に間違った方法で使用するとかぶれなどの副作用が現れやすくなります。

 

ハイドロキノンを日々のスキンケアに取り入れる際に注意すべき点はどのようなことでしょうか。

ここでは、日々のスキンケアと取り入れる際の「正しい使い方」と「注意すべき副作用」について紹介していきます。

 

ハイドロキノンの使い方

ハイドロキノンをスキンケアとして取り入れる際は、夜の洗顔後に使用することが推奨されます。

基本的には1日1回の使用で、朝の洗顔後ではなく夜の洗顔後に使用して下さい。

なぜ、ハイドロキノンを使用するタイミングは“朝の洗顔後”ではなく“夜の洗顔後”が推奨されるのでしょうか。

 

推奨理由としてはハイドロキノンは紫外線に当たると色素沈着を悪化させるおそれがあるためです。

紫外線に当たることでメラニン生成が促進し、色素沈着を悪化させるおそれがあったり“シミ”を濃くするおそれがあります。

ハイドロキノンを日々のスキンケアとして取り入れる際は夜の洗顔後に使用しましょう。

 

また、ハイドロキノンを使用している間は日焼け止めの使用を徹底しましょう。

ハイドロキノン使用中の日焼け止めはSPF20以上が推奨されます。

 

ハイドロキノンを塗る順番についてみていきましょう。

夜の洗顔後、化粧水や乳液などでお肌を整えた後にハイドロキノンを塗りましょう。

部分的に気になるシミケアにハイドロキノンを使用する場合は、シミ部分のみピンポイントに塗布しましょう。

 

ピンポイントに塗布する際は、綿棒などを使用することをおすすめします。

顔全体の美白効果をねらう場合もまずは化粧水などでお肌を整えましょう。

化粧水などでお肌を整えた後にハイドロキノンを顔全体に薄く塗布します。

 

ハイドロキノンを塗布するタイミングは製品によって異なる場合があります。

使用方法は異なる場合があるので使用前に必ず「使用方法」を確認しましょう。

 

ハイドロキノンとトレチノインを併用する場合があります。

トレチノインと併用することでより高い美白効果が得られるとも言われています。

 

トレチノインと併用する場合も同様に洗顔後、化粧水で肌を整えます。

その後、トレチノインをシミにピンポイントで塗ります。

この時に綿棒などを使用し、シミからはみ出さないように薄く塗るのがポイントです。

 

先ほど塗ったトレチノインが乾いたらハイドロキノンを広めに塗ります。

ハイドロキノンを塗る際には、トレチノインを塗っていない部分からトレチノインを塗った部分に向かうように塗って下さい。

トレチノインを塗った部分から塗り始めてしまうとトレチノインをシミ以外の部分にも広げてしまうからです。

 

使用回数としては、朝の洗顔後とお風呂上がりの1日2回塗布します。

ただし、お肌の状態によってはハイドロキノンを塗布する回数・濃度が異なります。

必ず使用前には、使用方法について医師や薬剤師の指示に従って安全に使用して下さい。

 

ハイドロキノンとトレチノインの塗る順番ですが、先にハイドロキノンを使用する場合もあります。

ハイドロキノンを先に使用する場合は、ハイドロキノンをシミ部分より少し広い範囲に塗ります。

その後にトレチノインをシミ部分にピンポイントで塗ります。

安全に高い効果を得るためにも使用前には、医師や薬剤師にお肌の状態について相談し使用しましょう。

 

徹底した紫外線対策を必ず行う

ハイドロキノン使用中は必ず日焼け止めを塗りましょう。

SPF20以上の日焼け止めが推奨されています。

日焼け止め使用に加えて日傘や帽子などで紫外線に当たらないように気をつけると尚いいです。

 

ハイドロキノンを塗った部分が無防備に紫外線にさらされると肌の炎症を引き起こすおそれがあります。

色素沈着を起こしたり今あるシミが濃くなってしまうおそれもあります。

ハイドロキノンを取り入れる時間に関係なく紫外線対策を行いましょう。

 

長時間紫外線を浴びるなど強い紫外線にさらされる環境では、慎重にハイドロキノンを使用しましょう。

例えば、ハイドロキノンの使用は夜だけにしたり紫外線対策を必ず行うなど慎重に使用して下さいね。

 

ハイドロキノンの使用が必要な部分以外には塗布しない

ハイドロキノンの使用が必要な部分以外には塗らないようにしましょう。

シミなどの気になる症状がない部分への長期間のハイドロキノン使用は避けて下さい。

長期的の使用により白斑が生じる可能性があります。

 

白斑とは肌の一部分の色が白く抜けてしまうことを指します。

高濃度ハイドロキノンの使用においても白斑が生じる可能性があります。

ハイドロキノンを塗布する際は、使用が必要な部分のみにしましょう。

 

注意すべきハイドロキノンによる副作用

ハイドロキノン使用中に注意すべき副作用について「短期的」「長期的」の2つに大きく分かれます。

「短期的」「長期的」で注意すべきハイドロキノンの副作用について解説していきます。

 

短期的な副作用

短期的な副作用としては“お肌のかぶれ”が挙げられます。

かぶれなどの副作用出現割合がハイドロキノンの濃度が高くなるに従って高くなる傾向にあります。

ハイドロキノンはメラノサイトに対して細胞毒性があるように刺激の強い塗り薬です。

 

ハイドロキノンの濃度が高くなればなるほど肌への刺激は強くなります。

よく使用されているハイドロキノンの濃度は1〜10%くらいです。

比較的安全性が高く刺激も少ないと言われているハイドロキノンの濃度は1%~3%です。

 

4%以上の濃度になると肌への刺激も強くなるので、かぶれなどの副作用頻度が高くなります。

お肌の弱い方は特に使用前に腕などに塗布して「刺激」や「かぶれなどの副作用」の有無を確認することをおすすめします。

万が一、かぶれなどの副作用が起こった際は使用を中止すると共に皮膚科を受診しましょう。

 

ハイドロキノンは紫外線を浴びると“シミ”を濃くしてしまうため使用中は日焼け止めの使用を徹底するようにしましょう。

また、ハイドロキノンは酸化されやすく変性しやすい成分です。

 

開封後、時間が経つと黄~茶色に変色します。

開封後はなるべく早めに使用するようにしましょう。

開封直後と比較してハイドロキノンの色が変色した場合は使用をやめてください。

 

長期的な副作用

長期的な副作用としては“白斑”などが挙げられます。

だらだらと長期に渡りハイドロキノンを使用すると“白斑”の出現リスクが高くなります。

また、ハイドロキノンの効果も出にくくなることがあります。

 

ハイドロキノンの効果を見る期間の目安は3ヶ月!

3ヶ月以上使用しても「効果が得られない」または「効果が乏しい」場合は使用をやめましょう。

長期に渡りだらだら使用を続けてもいいことはないです。

 

「効果が得られない」「効果が乏しい」場合は、レーザー治療などの他の方法を考慮することもできます。

効果が出ないと不安になるかと思いますが、他にも治療方法はあります。

どんな治療が自分に合っているのか皮膚の専門家に相談してみましょう。

 

副作用が出現したら使用中止する

ハイドロキノンはメラノサイトに対して細胞毒性があるように刺激の強い塗り薬です。

ハイドロキノン使用後「肌が赤くなる」「かぶれる」などといった副作用が出現した場合は使用を中止しましょう。

炎症が強い場合は、皮膚科に受診してくださいね。

 

効果が見られない場合は他の治療を検討する

ハイドロキノンを3ヶ月以上使用してもお肌の変化が見られない場合は他の治療を検討しましょう。

ハイドロキノンを使い始めてどのくらいの期間で効果が出てくるのでしょうか。

個人差はありますが、ハイドロキノンを使い始めてから2〜3ヶ月経過した頃と言われています。

 

使い始めてすぐには効果を実感するのは難しいです。

数週間から数ヶ月間継続して使うことで、だんだんとハイドロキノンの効果を実感できるでしょう。

ただし、長期間だらだらハイドロキノンを使用するのはおすすめできません。

 

長期間使用を継続することで“白斑”という副作用が起こりやすくなります。

「ハイドロキノンの効果発現期間」と「“白斑”などのリスク増加期間」を考えると効果が出ていないのに3ヶ月以上使用することは避けましょう。

 

高い効果を持つからこそ気をつけるべきこと

ハイドロキノンは今では簡単にドラッグストアなどで手に入るようになりましたが、かつては医師の管理下でしか使用できませんでした。

ハイドロキノンは高い美白効果をもち、美容成分として大変有用です。

しかし、自己判断で間違った使い方をすると「かぶれ」「皮膚の炎症」「白斑」などの副作用リスクが高まります。

 

美白効果を実感したく化粧品としてハイドロキノンを取り入れたのに副作用が起きてしまっては本末転倒です。

安全に使用していただくにあたって必ず以下の3点に注意してください。

  1. ホームユーステストを行い自分の肌に合うか試す
  2. 推奨されている「使用目安量」「使用回数」を超えての使用は避けること
  3. 長期間だらだら使用することは必ず避けること

この3点について詳しく見ていきたいと思います。

 

ホームユーステストを行い自分の肌に合うか試した上で使用を

ハイドロキノンは高い効果を持つため使用を開始する前にユーステストなどで皮膚に炎症が起きないか確認しましょう。

実際には顔の目立たない部分に少量を塗り、ハイドロキノン塗布部分に「赤み」「かぶれ」などの症状が起こらないかをみます。

 

3日間ほど継続して塗って様子をみてください。

万が一、赤みやかぶれなど肌に異常を感じた際は使用を中止して専門医師に相談するかメーカーの相談窓口に問い合わせて下さい。

 

ハイドロキノンは変性しやすく安定化が非常に難しい成分です。

使用している製剤のベースとなる基材との相性はハイドロキノン製剤によって違いがあります。

 

他のハイドロキノン製剤では大丈夫だったとしても油断は禁物です。

初めて使用する方はもちろん、使用したことのないハイドロキノン製剤を使う際は使用前に必ずホームユーステストを行いましょう。

 

推奨されている「使用目安量」「使用回数」を超えての使用は避けること

必ずハイドロキノン製品に「使用目安量」「使用回数」が記載されていると思います。

推奨される量や使用回数が「ハイドロキノンの最大効果」が得られる量や回数です。

使用前に記載されている使用方法をしっかり読み理解した上で使用して下さい。

 

「早く効果を実感するにはたっぷりと使用するのがいいのかな」などの安易な考えでの使用は危険です。

自己判断で使用量や使用回数を変えてしまうことは“色素沈着”や“白斑”のリスク増加に繋がります。

安全に使用していただくために製品に記載されている「使用目安量」「使用回数」などを理解してから日々のスキンケアに取り入れましょう。

 

長期間だらだら使用することは必ず避けること

ハイドロキノンによりシミ治療を行う際は、基本的に効果を実感するには時間がかかります。

効果実感は、症状や体質によって異なります。

使用期間について慎重に考える必要があります。

 

効果発現に時間がかかりますが長期間だらだら使用することは避けないとです。

医療現場においてのハイドロキノン使用については、肌の状態を観察しながら3ヶ月使用を継続した後に3ヶ月間中止期間を設けます。

中止期間を設ける目的としては「お肌を休めるため」です。

 

3ヵ月の中止期間終了後は、またハイドロキノンの使用を3ヵ月継続します。

使用と中止を期間を設けて行うことを「インターバル使用」を言い、医療現場において行われています。

インターバルで使用することは、副作用のリスク減少に繋がります。

効果を実感するためにも必ず使用期間の約束を守り、長期間の使用は避けましょう。

 

ハイドロキノンの効果を高めるためには

ハイドロキノンは高い美白効果が期待できる成分です。

しかし、誤った使用方法で使うと肌の悩みをかえって悪化させてしまうおそれがあるので注意が必要です。

ハイドロキノンの効果を高めるには、製品に記載されている使用方法を必ず守って使用する必要があります。

 

ハイドロキノンの配合濃度は製品によって様々で異なっています。

市販で買える製品は、製品により配合濃度が異なるため期待している効果が得られない場合があります。

多くみられるハイドロキノンの配合濃度は1〜10%程度です。

 

配合濃度が高くなるにつれて副作用のリスクが上昇するので、濃度が高ければ高いほどよいというわけではありません。

副作用のリスクも考えた上で自分の肌に合うものを選び使用するのが重要になってきます。

安全にハイドロキノンの高い効果を得たいと考えている方は、市販の製品ではなく医療機関で購入できるハイドロキノンを使用するとよいでしょう。

 

医療機関で購入できるハイドロキノンを使用する際は、皮膚科を受診し診察を受けた上で使用しましょう。

ハイドロキノンは単独でも効果的ですが、皮膚への浸透性はあまり高くないです。

 

トレチノイン(レチノイン酸)などと併用すると美白効果をよりアップすることが期待できます。

浸透性の高くないハイドロキノンとピーリング治療を並行して受けることで、浸透しやすくなりハイドロキノンの効果が高まります。

 

ハイドロキノンの使用休止期間に有効なスキンケアについて

ハイドロキノンの使用を休止している期間においても紫外線対策をしっかりと行いましょう。

日焼け止めの使用はもちろん、日傘や帽子などで紫外線からお肌を守りましょう。

ハイドロキノンの使用休止期間はハイドロキノンの入っていない美容液を取り入れるのがおすすめされています。

 

ハイドロキノンの使用休止中にビタミンC配合の美容液が使用されています。

ビタミンCもチロシナーゼの働きを抑制する作用を持っています。

また、メラニンを還元する作用を持っています。

 

ビタミンC配合の美容液は長期間の使用ができる成分です。

皮膚科においてハイドロキノンの使用休止中にビタミンC配合の美容液が使用がおすすめされています。

一方で、ハイドロキノンと構造の似ている「コウジ酸」「アルブチン」の使用はなるべく避けた方がいいでしょう。

 

ハイドロキノンの使用上の注意点を理解して活用を

ハイドロキノンは高い美白効果を期待できる一方で、使用方法を間違えると様々な肌トラブルが生じます。

ハイドロキノンを使用する際は、肌トラブルのリスクについても理解する必要があります。

間違った方法で使用すると消したいはずのシミが濃くなったり、肌の一部が白抜けする“白斑”などのトラブルが起こりやすくなります。

 

お肌の負担になってしまうなんてこともあります。

ハイドロキノンの持つ高い美白効果を存分に味わうためにも正しい使用方法を理解することが重要です。

お肌トラブルを予防するには皮膚の専門医に相談した上で購入、使用を検討すると良いでしょう。

 

また、使用方法や肌の状態などを相談できる場所を見つけておくと安心です。

ハイドロキノンを美肌作りに取り入れる際には、使用上の注意を理解した上で役立ててください。

 

まとめ

美容成分として手軽に誰でも入手できるハイドロキノンについて説明しました。

ハイドロキノンは天然にも存在している成分です。

ハイドロキノンはメラニン色素の生成阻害により、“シミ予防”や“シミ改善”に効果が期待できる成分です。

 

他にも「色素沈着改善効果」や「還元作用」を持っています。

ニキビ跡の治療としてもハイドロキノンが使われています。

ハイドロキノンはシミ対して効果的ですが、効果が期待できるシミは限られています。

 

「老人性色素斑」や「肝斑」「炎症後色素沈着」などのシミに対してはハイドロキノンが効果的です。

あくまでも美容剤としての位置付けであり、ハイドロキノンは医薬品ではありません。

 

ハイドロキノンを安全に使用するために必ず使用前には「使用方法」「起こる可能性のある副作用」をしっかり理解しましょう。

ハイドロキノンは基本的には1日1回夜の使用です。

ハイドロキノン塗布部が紫外線にさらされることで色素沈着を起こすおそれがあるため、日中の紫外線対策は必ず行いましょう。

 

誤った方法で使用してしまうと「シミの増加」「かぶれ」などの副反応が起こるおそれがあります。

肌を綺麗にするために使用したはずなのに副反応の方が強く出てしまっては本末転倒ですよね。

ハイドロキノンは高い美白効果を持っていますが、決して万能薬ではありません。

 

長期にわたり使用を継続していると肌に耐性ができてしまい効果減弱や効果が得られなくなる可能性があります。

また、長期間続けて使用することで白斑などの副作用が起こる可能性もあります。

長期間の使用と言ってもどのくらいの期間使用することで白斑などの副作用を起こす可能性が高くなるのでしょうか。

 

配合濃度4%以下のハイドロキノンを半年くらい使っただけでは白斑の発症の可能性は低いです。

5%以上配合された高濃度のハイドロキノンを1年以上長期にわたり使用することで白斑を発症するおそれがあります。

ハイドロキノンを3ヶ月以上使用してもは肌の状態が変わらない場合は、使用を中止してレーザー治療など別の治療を試すことが大切になります。

 

ハイドロキノン単体でも美白効果はありますが、ハイドロキノンとトレチノイン併用で美白効果を高めることができます。

現在では手軽に入手できるようになったハイドロキノン!

簡単に入手できるようになったからこそ、正しい知識を身につけてから使用しましょう。

 

皮膚科では安全かつ効果的なハイドロキノンが販売されています。

「正しい知識」と「正しい使い方」を身につけた上でハイドロキノンを日々のスキンケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。

少しでも、みなさんのお役に立てれば幸いです。

-美白ケアに効果的な成分