肌の基礎知識

【線維芽細胞の役割】老けない人に隠された秘策を解明!この細胞が今後の再生医療の鍵を握る

鏡を見て「シワが増えたな...」「なんか顔がたるんできた」と思うことはありませんか。

肌にハリや弾力がある人は、若々しく健康的に見えます。

 

ご存知の方もいるかと思いますが、肌のハリや弾力を司っているのはコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸。

コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の3つの成分を生成するのが線維芽細胞という細胞。

 

線維芽細胞は、再生医療や美容医療において注目されている細胞の1つです。

今回の記事では、線維芽細胞の働きから最先端の治療などを紹介。

 

数十年後も今のままの肌でいられる日も近いかもしれません。

それでは、早速みていきましょう。

 

【肌の秘密】若々しく見える人は何が違う?

「赤ちゃんの肌を想像してみてください」と言われて、どんな肌を想像しますか?

おそらく、みずみずしくプヨプヨした肌を想像したのではないでしょうか。

 

赤ちゃんの肌は水分量が多く新陣代謝が活発で、少しの引っ掻き傷であれば数日から1週間程度できれいに消えてしまいます。

肌の再生力(自然治癒力)が非常に高い赤ちゃんの肌には驚き。

 

赤ちゃんの肌とは反対に私たち大人の肌はどうでしょうか。

「肌のハリやシワが気になる...」「なかなか傷が治らない」「肌が乾燥してカサついている...」といったように悩んでいる方もいるかと思います。

 

肌の老化は早い方では、20代後半つまり25歳くらいから始まると言われています。

肌の水分量は低下し細胞の生まれ変わりの周期は遅くなり、弾力を保つ上で重要なコラーゲンは年齢とともに減少。

 

加齢や生活環境により肌は老化しますが、肌が若々しくきれいな方を見ると「どんなことをしているのかな?」「肌がきれいになりたいな」「何の化粧品を使っているの?」など気になりますよね。

 

ここでは、みずみずしく肌に弾力があり、若々しい肌を作るためのメカニズムを簡単に解説していきます。

まずは、肌の構造である表皮、真皮、皮下組織を見ていきましょう。

 

【肌の構造】表皮

表皮は、肌の最も外側にある層で厚さは平均約0.2mm。

非常に薄い膜ですが、4層から成り立っており外側から「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」となっています。

 

表皮の主な役割は、紫外線や乾燥などの外部刺激から肌内部を守る「バリア機能」と細胞の生まれ変わりの「ターンオーバー」の2つ。

 

肌の新しい細胞は、表皮の最下層の基底層で誕生。

基底層で生まれた細胞は、形を変え約28日のサイクルで肌表面へと押し上げられ、最後は垢となり表面から剥がれ落ちます。

 

細胞が生まれて垢となって剥がれ落ちるサイクルのことを「ターンオーバー」といい、健康な20代では約28日のサイクル。

年齢や睡眠不足、ストレスなどでターンオーバーのサイクルは乱れてしまいます。

 

【肌の構造】真皮

真皮は、表皮の下にあり肌のハリや弾力を決定づけている層。

肌のハリや弾力を決定づけている主要成分は真皮に存在する「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」の3つ。

 

真皮の構造は、タンパク質でできた繊維であるコラーゲンが骨組みとなり、エラスチンが束ね、ヒアルロン酸がその間を水分で埋めています。

真皮は、水分をたっぷり含んだ立体的なスポンジのイメージ。

 

真皮は、肌のハリや弾力を保つ上で最も重要な層と言っても過言ではありません。

 

【肌の構造】皮下組織

皮下組織は、大部分を脂肪細胞が占めており、肌の最も深部に存在する層。

脂肪細胞は「体温維持」「エネルギー貯蔵」「外部刺激からの保護」の役割を持ちます。

 

脂肪細胞は熱を伝えにくい性質を持ち、熱を外に逃さない断熱材としての機能も。

他には、外部からの刺激や衝撃を和らげることで神経や筋肉、骨、血管、汗腺などを保護するクッションの役割もあります。

 

若々しい肌に必要な成分は?

若々しい肌とは、ハリや弾力があり、みずみずしく透明感のある肌。

この肌に重要な成分として「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」などが挙げられます。

 

コラーゲンは肌の柱となっている他、脂肪分解を促進する効果があると言われています。

エラスチンは肌のハリや弾力をキープし、ヒアルロン酸は肌の水分を保持。

 

コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の3つの成分は、互いに助け合うトライアングルの関係性であり、どの成分も必要不可欠。

若々しい肌に重要な3つの成分を作り出しているのが線維芽細胞という細胞。

線維芽細胞もまたコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸と同様、真皮に存在します。

 

【3大美容成分】若々しい美肌の要素は?

肌のハリや弾力の減少、たるみやシワの原因はさまざまな要因が考えられます。

加齢や乾燥によるターンオーバーの乱れや女性ホルモンの減少の他に、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの美肌成分の減少もシワやたるみの原因に。

 

若々しい肌を手にいれるなら表皮や真皮の状態が肝になってきます。

正常なターンオーバーの周期を保ち、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった肌のハリや弾力を決定づける成分がいかに健康かが重要。

 

若々しい肌を保つ上で欠かせないコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出しているのが線維芽細胞(真皮線維芽細胞)。

ここでは、線維芽細胞が作るコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸がどんな成分が見ていきましょう。

 

【コラーゲン】肌のハリや強度を支える

コラーゲンは立体的な網目状の構造をしており、肌の土台となり繊維状のタンパク質。

コラーゲンは、真皮の大部分である約70%を占めています。

 

肌のハリや強度に密接に関係しており、必要不可欠な成分。

エラスチンなどの成分と一緒に肌のハリや弾力を支えています。

 

【エラスチン】弾力や伸縮性を保つ

エラスチンはゴムのように伸縮しコラーゲンを束ねている繊維状のタンパク質。

エラスチンは真皮の約2%を占めており、肌の弾力を与えます。

ハリや弾力のあるプルプルな肌には必要不可欠な成分。

 

【ヒアルロン酸】肌に潤いを与え乾燥を防ぐ

ヒアルロン酸は、真皮においてコラーゲンとエラスチンの隙間を埋めるゼリー状の保水成分。

ヒアルロン酸の保水力は驚異的で、わずか1gで6Lもの水分を抱え込むことができると言われています。

 

ヒアルロン酸は肌に潤いを与える一方、水分を抱え込むことで真皮の構造を安定させる役割も。

 

若々しい肌を維持するために必要なコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸は線維芽細胞という細胞から作られています。

この線維芽細胞自体を増やすことができれば、肌にハリや弾力が生まれ老化症状の根本的な改善が可能に。

現在は日常のケアだけでなく、線維芽細胞を増やすため肌再生医療も注目されています。

 

線維芽細胞ってどんな特徴がある?

最近では、iPS細胞の培養や研究過程、美容医療の進化により「線維芽細胞」の知名度が急激に上がったので知っている方もいるのではないでしょうか。

 

線維芽細胞(真皮線維芽細胞)は、真皮などの結合組織に存在しコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作る重要な細胞のこと。

コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、ハリや弾力のある若々しい肌を保つ上で重要な成分。

線維芽細胞は、皮膚だけでなく腱や靭帯、骨などにも存在している細胞です。

 

線維芽細胞は、他の体細胞と比較して細胞分裂の周期が速い特徴を持っています。

細胞分裂周期が速いということは、古くなった細胞をすぐ分解し、新しい線維芽細胞を作ることでコラーゲンやエラスチンなどを素早く大量に生成することが可能。

 

女性ホルモンの1つであるエストロゲンを生成したり、傷ついた組織や皮膚に移動し、コラーゲンやエラスチンなどを大量に生成。

それによって、傷を修復したり、組織を再生する役割があります。

 

線維芽細胞の働きが活発になると新陣代謝がスムーズになるので肌のハリや弾力を司るコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの成分が豊富に生成。

反対に活性酸素や紫外線によって線維芽細胞の働きが低下すると、コラーゲンやエラスチンなどの生成量が低下するだけでなく変性します。

コラーゲンなどが変性すると、肌の弾力を支える土台が崩れてしまうのでシワやたるみ、乾燥の原因に。

 

線維芽細胞が生き生きと活発に働いていることが、年齢を重ねてもハリや弾力を保つ鍵。

エイジングケアで重要な線維芽細胞の研究と化粧品のアプローチによって真皮層まで化粧品が届く日も夢じゃないかもしれません。

しかし、薬機法の規定では化粧品が届くのは「角質層まで」であり「真皮層までは届かない」のが現状です。

 

主な特徴は6つ

線維芽細胞の主な特徴は6つ。

  1. コラーゲンの生成
  2. エラスチンの生成
  3. ヒアルロン酸の生成
  4. 組織の再生・修復
  5. 増殖力・細胞分裂の速さ
  6. 女性ホルモンの生成

線維芽細胞は、肌のハリや弾力を保ち健康な肌を維持する上で必要不可欠な成分の「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」を生成。

線維芽細胞は、怪我をして組織や皮膚が傷つくと、そこに移動して損傷した部分を修復するサポートをします。

 

細胞分裂が他の体細胞よりも速い線維芽細胞は、怪我した時や熱などの刺激を受けた時など、必要に応じて活性化。

活性化し、増殖することで組織の修復をサポート。

 

他にも、アンドロゲンという男性ホルモンをエストロゲンという女性ホルモンに変換させる酵素を持ちます。

女性ホルモンのエストロゲンは、肌のハリや弾力を司るコラーゲンやエラスチン生成をサポートするホルモン。

 

線維芽細胞は、コラーゲンなどを生成する以外にも組織の修復、細胞分裂の速さから再生医療や美容の分野において注目されています。

 

線維芽細胞の主な働きは3つ

線維芽細胞の主な働きは3つ。

  1. 組織や皮膚の修復
  2. 肌を土台から支える
  3. エストロゲンを作る

怪我などで組織が傷ついた際は、線維芽細胞が移動し損傷の修復をサポート。

線維芽細胞は、組織の構造を支えるためのコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質を生成し、肌の健康を根本から支えます。

 

他にも、コラーゲンやエラスチン生成を促進するエストロゲンを生成。

これによって、若々しい肌が保たれます。

 

組織や皮膚の修復

線維芽細胞の働きの1つ目は「組織や皮膚の修復」です。

 

怪我や熱などの軽い刺激を受け皮膚や組織が傷つくと、線維芽細胞が移動し活性化。

活性化することで組織形成をサポートするコラーゲンなどを大量に生成し、修復をサポート。

 

肌を土台から支える

線維芽細胞は肌のハリや弾力を司るコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生成し肌の健康を土台からサポート。

 

コラーゲンは肌のハリを出し、エラスチンは肌の弾力性を維持。

ヒアルロン酸は、水分を抱え込むことで肌の潤いを保ちます。

 

線維芽細胞には、老化や紫外線による光老化、日焼けによって受けたダメージを根本から軽減または緩和する効果も。

また、線維芽細胞には新しい細胞や血管作りをサポートする働きもあります。

 

エストロゲンを作る

線維芽細胞は男性ホルモンであるアンドロゲンを女性ホルモンのエストロゲンに変換する際の酵素を持っています。

エストロゲンは肌の老化を防ぎ、コラーゲンなどの成分の生成を促進するのに効果的なホルモンの1つ。

 

局所的にエストロゲンが作られることで、肌のハリや弾力、潤いが保たれます。

 

【肌の秘密】若々しく見える人は何が違う?
今後の線維芽細胞の可能性について

現在、世界各国で再生医療や美容医療の研究、開発が進んでいます。

2014年には、「再生医療等安全性確保法」という再生医療を安全にかつ安心に受けられるための法律が施行。

これによって、安全管理が大きく強化されました。

 

まず、シワやたるみへのアプローチとして2つの地用法を紹介します。

1つ目は、自分の血小板を利用し今ある線維芽細胞の働きを活性化させるPRP療法。

2つ目は、自分の線維芽細胞を採取し培養することで線維芽細胞自体の数を増やす線維芽細胞注入療法。

 

PRP療法は、わずかに採取した血液からFGFやPDGF、VEGT、TGF-βなどの成長因子を多く含む血小板のみを抽出。

それをシワやたるみが気になる部分に少し注入することで今ある線維芽細胞の働きが活性化し、コラーゲンなどの生成を促進します。

血小板に含まれる成長因子が弱った線維芽細胞も活性化するためシワやたるみの治療に効果的。

 

線維芽細胞注入療法は、主に耳の後ろの肌細胞を採取し、それを培養します。

培養した線維芽細胞を気になる部分に注入。

 

自然な若返りが期待できる他、培養した自分の線維芽細胞を注入するので、アレルギー反応が起きにくいといったメリットも。

耳裏から採取した細胞1個は数週間でおよそ1万倍になると言われており、30年以上も使用可能なことには驚きですよね。

 

線維芽細胞は、最先端の抗老化治療を担っている細胞であり、数十年後も今のままの肌を保てるという時代が来るかもしれません。

 

【線維芽細胞】再生医療や美容医療での役割

線維芽細胞は再生医療や美容医療の分野においても活用。

現在、さまざまな治療法が研究されており、実際に実用化されている治療法も。

ここでは、線維芽細胞を用いた治療法についていくつか紹介していきます。

 

難治性の傷の治癒を促進する

線維芽細胞は、組織が傷ついた際に損傷部に移動し、そこで活性化する特徴があります。

それを生かして、難治性の皮膚潰瘍や傷、広範囲の火傷などに効果的。

治りにくくなった糖尿病患者さんの足潰瘍などの治療にも効果が期待されています。

 

軟骨・骨の修復や再生

線維芽細胞は皮膚などの結合組織を構成していますが、近年では軟骨や骨の再生医療でも活躍が期待されています。

線維芽細胞を軟骨や骨を再生する細胞へと変化させることで、修復や再生に関与。

治りにくい骨折や関節損傷の治療の分野でも注目され、日々研究が進められています。

 

美容医療においても注目

線維芽細胞は再生医療だけでなく、美容医療においても注目されています。

線維芽細胞を利用した治療やスキンケアは、コラーゲン生成をサポートしシワやたるみの改善に効果的。

肌質向上目的で利用されたりもしています。

 

【線維芽細胞】3つの治療例

ここでは、線維芽細胞を用いた治療を3つ紹介。

線維芽細胞を用いた治療は現在、研究が進んでいます。

 

PRP療法(多血小板血漿療法)

PRP療法は、自己血液から血小板を濃縮した液体を採取し活用する治療方法。

血小板に含まれるPDGFやTGF-βなどの成長因子が今ある線維芽細胞の働きを活性化することでコラーゲン生成を促進。

 

痛みの緩和、傷の治療や修復、炎症の緩和、そして肌の若返りに効果が期待できます。

具体的には、シワやたるみの改善、ニキビ跡のケアなど。

 

線維芽細胞注入療法

自分の皮膚組織から線維芽細胞そのものを少量採取し培養することで線維芽細胞自体の数を増やす治療方法。

培養した線維芽細胞は、シワなどが気になる治療部位に直接注入します。

 

コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の工場である線維芽細胞の数を増やすことで、シワやたるみの改善に効果的。

自分の細胞を使用するのでアレルギー反応も生じにくく、肌再生に活用されています。

 

軟骨再生治療法

線維芽細胞を利用した軟骨再生治療法も研究、開発が進められています。

線維芽細胞は、変形性関節症などに応用され、新たな治療方法として期待大。

 

線維芽細胞を用いた今後の未来は?
技術と治療の可能性について

線維芽細胞を用いた治療は現在研究と開発が進められており、再生医療や美容の分野においてさらに進化の可能性を秘めています。

ここでは、今後期待できる線維芽細胞を用いた治療法や技術について3つ紹介。

 

遺伝子改変した線維芽細胞を応用した治療法

遺伝子改変した線維芽細胞を用いた治療法は、難治性の皮膚疾患などに対応したもの。

現在、線維芽細胞を用いた特定の疾患に利用できる治療法の研究と開発が進められています。

 

線維芽細胞とiPS細胞の連携

線維芽細胞とiPS細胞は再生医療の分野において不可欠なペアと言っても過言ではありません。

iPS細胞から線維芽細胞を分化することもでき、疾患研究など効果的な治療法として幅広い応用が期待。

 

線維芽細胞を利用した美容医療

線維芽細胞は美容医療の分野でも研究が進んでおり、その人の最も適した個別化医療の実現が期待されています。

 

まとめ

線維芽細胞は、肌のハリや弾力に必要不可欠な細胞。

線維芽細胞はコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生成し肌の健康を維持します。

 

その他に組織の修復や再生、関節や軟骨、さらに骨の再生と多くの方面で応用が期待。

再生医療や美容医療において、研究が進みさらなる治療の進化が期待されている分野でもあります。

 

この記事が少しでも若々しい肌の維持のためにお役立ていただけたらと幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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