肌の基礎知識

【コラーゲンの構造】配列には規則性があった?分子量の大きさによって異なる性質を紹介!

私たちの身体を構成するタンパク質の約30%がコラーゲン。

コラーゲンは、細胞や組織の土台となり支える重要な役割があります。

 

肌においては、ハリや弾力を保つために必要不可欠な成分。

 

この記事では、主にコラーゲンの構造について紹介していきます。

コラーゲンの構造を知ることで、毎日のケアの重要性がより鮮明になるかも!

 

それでは、早速見ていきましょう。

 

体内のタンパク質でもっとも豊富なのはコラーゲン

私たちの体内は個人差はありますが、約60%が水分、約20%がタンパク質、約10%が脂質、残りがミネラルや糖質から構成。

体内にあるタンパク質の約1/4〜1/3(約30%)を占めているのがコラーゲンです。

 

コラーゲンは、皮膚(肌)や骨、内臓、血管などを支える構造タンパク質。

私たちの身体は、コラーゲンで支えられていると言っても過言ではありません。

 

コラーゲン分子が束となり「腱を強くするケーブル」として機能することで、激しい運動にも耐えることが可能。

コラーゲンは、皮膚や内臓では弾力性のシートを形成することで、土台から支えています。

 

骨や歯においては、コラーゲンにハイドロキシアパタイトという鉱物結晶を加えることで理想的な強度が生まれます。

コラーゲンは皮膚にハリや弾力を出したり、組織を保護したりと身体構造の土台になっていますが、アミノ酸だけで構成される比較的単純なタンパク質。

 

コラーゲンは三重らせん構造を形成

コラーゲンは、コラーゲンの単量体(ポリペプチド鎖)の3本がらせん状に巻き付き合うことで、三重らせん構造(コラーゲン三量体)を形成。

 

コラーゲン単量体(1本の鎖)は、およそ1000〜1400個以上のアミノ酸から構成。

非常に長いコラーゲン分子の各鎖をアミノ酸約20個含む部分で切り取ってみると、規則的な配列が繰り返されていることが分かります。

 

3残基ごとにグリシン(glycine)が存在する「グリシン-X-Y」の規則的な配列に。

グリシンは、タンパク質を構成するアミノ酸の中で最も小さいため、らせん構造の内側にぴったり入り込むことが可能。

 

コラーゲンの構造を作り、安定化するために重要なアミノ酸は、グリシンの他に2つあります。

それは「プロリン(proline)」と「ヒドロキシプロリン (hydroxyproline)」というアミノ酸。

 

プロリンは、通常の球状タンパク質には適合しにくいポリペプチド鎖中の「ねじれ」を生み出している独特な性質を持ったアミノ酸。

修飾されたプロリンのヒドロキシプロリンは、コラーゲン特有のアミノ酸で、水分を保持する役割を持っています。

 

簡単に言うと、強固なコラーゲンは「グリシン」「プロリン」「ヒドロキシプロリン」の3つのアミノ酸が繰り返し結合することで作られています。

 

ビタミンCがコラーゲン合成に必要

コラーゲンの三重らせん構造を安定化させるのは、ヒドロキシプロリン。

ヒドロキシプロリンは、コラーゲン鎖が合成された後に酵素が働くことで、プロリンが水酸化され生成。

 

プロリンの水酸化反応を助ける補酵素としてビタミンCが重要。

つまり、プロリンからヒドロキシプロリンになるためにビタミンCが必要ということ。

 

しかし、私たちは体内でビタミンCを合成できないので、食事から摂取する必要があります。

ビタミンCが体内で不足すると、ヒドロキシプロリンの生成が遅延し、コラーゲンの構造が弱くなったりコラーゲン合成が阻害。

 

コラーゲン構築停止は、全身の血管や組織が脆くなり「壊血病(scurvy)」という病気を引き起こします。

壊血病の主な症状は、歯茎の腫れや出血、進行すると歯が失われることも。

また、毛髪が乾燥してもろくなり肌は乾燥し、全身にあざができやすくなります。

 

ビタミンCは、体内のコラーゲンを生成するのに必要な栄養素なので、食事から積極的に摂取することが大切。

ビタミンCは、アセロラやケール、キウイフルーツ、いちごなどに多く含まれています。

 

主なコラーゲン5種類を紹介

コラーゲンは、全身のあらゆる場所に存在しますが、存在する場所によって種類や役割が異なります。

現在、分かっているだけでも29種類発見されています。

 

以前は、コラーゲンは1種類のみだけ考えられていましたが、1960年代後半の研究により軟骨から違うタイプのコラーゲンが発見。

これをきっかけに、発見された順にⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型...と命名しました。

 

コラーゲンは、存在する場所において、必要に応じてそれぞれの細胞により合成されています。

ここからは、コラーゲンの分布場所とその役割について見ていきましょう。

 

主なコラーゲンタイプの分布場所とその役割

ここでは、有名な5種類のコラーゲンタイプの分布場所とその役割について紹介します。

  1. Ⅰ型コラーゲン
  2. Ⅱ型コラーゲン
  3. Ⅲ型コラーゲン
  4. Ⅳ型コラーゲン
  5. Ⅴ型コラーゲン

Ⅰ型コラーゲンは、体内のコラーゲンで最も多いコラーゲン。

皮膚、骨、腱などの主成分であり、組織に丈夫さとしなやかさを与えます。

Ⅰ型コラーゲンは、皮膚においてはハリや弾力性を保持する役割が。

 

Ⅱ型コラーゲンは、関節軟骨や目の硝子体に多く分布。

クッションの役割をし、関節の動きにしなやかさを与えます。

 

Ⅲ型コラーゲンは、弾力性の部位や傷を治す部位の皮膚、血管、子宮、筋肉などに多く分布。

皮膚においては、Ⅰ型コラーゲンと一緒に肌の弾力性を支えています。

Ⅲ型コラーゲンは、赤ちゃんに多く存在するため「ベビーコラーゲン」とも呼ばれ、大人になると量が減少。

 

Ⅳ型コラーゲンは、細胞や組織の支えとなる基底膜や筋細胞に分布。

Ⅳ型コラーゲンは、体内の全コラーゲン量のわずかに満たないですが、細胞シートの裏打ちなど重要な役割があります。

 

Ⅴ型コラーゲンは、皮膚、血管、角膜、胎盤などに存在し、コラーゲン繊維の太さなどを調整。

微量ですが、Ⅰ型やⅢ型コラーゲンと連携し、コラーゲン繊維の太さをコントロール。

角膜では、丈夫で透明な組織を保つのに重要な役割をしています。

 

コラーゲン・ゼラチン・コラーゲンペプチド

コラーゲンは、複数のアミノ酸が結合してできたタンパク質。

アミノ酸は、コラーゲンを構成する最小単位です。

 

約1000〜1400個のアミノ酸でできた3本の鎖が、ロープのようにらせん構造をとったものがコラーゲン。

コラーゲンは常温では、アミノ酸同士が強く結合していますが、加熱するとらせん構造がほどけてバラバラに。

この状態をゼラチンと呼びます。

 

ゼラチンをさらに酵素分解などでアミノ酸数個〜数10個に低分子化したものが、コラーゲンペプチド。

コラーゲンは水に溶けにくい性質を持っていますが、コラーゲンペプチドは冷たい水にも溶けやすく吸収性もアップ。

コラーゲンペプチドは、身体への消化吸収にも非常に優れています。

 

コラーゲンは構造と分子の大きさで名前と性質が異なる

コラーゲンは、分子の大きさによって名前と性質が異なります。

アミノ酸の結合数が多い順に「コラーゲン」「ゼラチン」「コラーゲンペプチド」「アミノ酸」。

 

コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチドは、基本的には同じアミノ酸から構成されていますが、アミノ酸の結合数が異なることで名前も異なります。

コラーゲンのアミノ酸の数は、約3000個(1本鎖あたり約1000個)に対して、三重らせん構造をほどいたゼラチンは約100〜1000個。

 

ゼラチンを酵素分解などでさらに細かくしたコラーゲンペプチドになると、アミノ酸の数は約数個〜数10個。

コラーゲンペプチドをさらに分解すると、1つのアミノ酸に。

 

コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチドは性質も異なります。

コラーゲンは、頑丈な繊維状のタンパク質で水には溶けにくい性質を持ちます。

 

ゼラチンは50〜60度くらいの温水には溶けますが、20度以下に冷やすと固まる性質が。

コラーゲンペプチドは、冷水であってもサッと溶け、体内の吸収性も抜群。

さらに最小単位のアミノ酸は、水に非常に溶けやすい性質を持ちます。

 

このようにコラーゲンは分子量の違いで名前と性質が異なっています。

 

食料雑貨店の購入できる家畜動物コラーゲン

家畜動物のコラーゲンは、牛や豚の皮などから抽出されたコラーゲン。

私たちの食卓や料理でおなじみの材料です。

 

コラーゲンを加熱するとらせん構造がほどかれゼラチンに変化して溶け出します。

このゼラチンが冷えると、再び結びつき網目状になるので水分を閉じ込め、プルプルとスポンジのようにゲル化。

市販の粉ゼラチンは、牛や豚の皮や骨から抽出された家畜動物のコラーゲンです。

 

コラーゲンの構造は?

コラーゲンのアミノ酸配列は、特別で3残基ごとにグリシン(glycine)が存在する「グリシン-X-Y」の配列をしています。

「グリシン-X-Y」のXにはプロリンが、Yにはヒドロキシプロリンが入るケースが多いです。

コラーゲンは、これらの配列によって強固な三重らせん構造をより安定に。

 

アミノ酸で最も小さいグリシンは、らせんの内側に入り込み、そこで小さな屈曲部を形成。

グリシンは小さく、空間を圧迫しないので3本鎖がスムーズに折れ曲がりながら、らせん構造を作ります。

 

環状構造を持つプロリンとヒドロキシプロリンが、らせん構造の外周部でなめらかに折り曲がることで、安定した構造が実現。

仮に、グリシンの位置がアラニンという少しサイズの大きいアミノ酸に置き換わると、すこし窮屈に。

 

話が少し変わりますが、理想的にグリシンとプロリンを織り交ぜると、外周部でなめらかに折り曲がっているらせん構造を形成することが可能。

一方、規則的に並んでいるグリシンの間に、さまざまな異なるアミノ酸が挟み込まれると不均一ならせん構造になります。

 

コラーゲンの構造を例えるとロープと梯子

コラーゲンの構造をわかりやすく例えるとロープと梯子(はじご)。

長いロープ状になったコラーゲン同士が横並びになり、梯子のように架橋することで強固な三重らせん構造を作っています。

 

私たちの身体は、さまざまな種類のコラーゲンが存在。

コラーゲンのタイプによって、末端部分の型が異なります。

 

末端部分がスパッと揃っている平滑末端(ブラントエンド、blunt end)の単純な型には、Ⅰ型コラーゲンがあります。

Ⅰ型コラーゲンは、規則正しく隣り合い結合することで、ロープの繊維が束ねられ、丈夫なコラーゲン繊維を形成。

 

コラーゲン分子が規則正しく並ぶことでできる原線維(fibril)は、体内のほぼ全ての細胞の間を縦横に行き交じりながら全身の組織などを構成。

 

球状の頭(端)と細長く続く尾(端)を持ち、細い紐のような構造をしているものには、Ⅳ型コラーゲンがあります。

Ⅳ型コラーゲンは、皮膚や多くの臓器で基底膜の構造の基盤に。

 

基底膜は、十字型のラミニン(laminin)が互いに結合することでネットワークを形成。

そこに曲がりくねったプロテオグリカン(proteoglycan)が絡むことで、高密度のシートが形成され、細胞と細胞の間を埋めています。

 

まとめ

この記事では、コラーゲンの構造について詳しく紹介しました。

コラーゲンは、体内にあるタンパク質の約1/4〜1/3(約30%)を占めています。

50kgの成人であれば、約10kgがタンパク質で、そのうちの約3kgがコラーゲン。

 

コラーゲンは、皮膚、骨、血管、腱など全身のあらゆる組織に存在し、身体の組織を支えています。

コラーゲンは、私たちの身体にとって必要不可欠な成分の1つです。

 

そんなコラーゲンの構造はいかかでしたか?

「意外と単純な構造じゃん」と思った方もいれば、「難しい...」「複雑だな」と思った方もいるのではないでしょうか。

 

この記事が少しでもみなさんのお役に立つことができていたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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